自転車用ヘルメットは、自転車乗車中の事故や転倒から頭部を守るヘルメットです。
シンプルなデザインで日常的に使いやすいデザインのものや、競技で使われるモデルでは軽量なもの、エアロダイナミクスに優れたものなど性能を重視した製品が存在します。また近年では、軽快車、通学通勤でも着用しやすいカジュアルなものも登場しています。
日々の移動や、サイクリングなど自転車利用者の頭を守る重要なアイテムです。
自転車用ヘルメット技術委員会では、主に以下の活動を行っています。
a) JIS 規格、( 一財 ) 製品安全協会の製品認定基準、検査マニュアル等の制定、改正等の委員として参加。
b) 各自治体で開催される「交通安全フェア」に参加し、自転車用ヘルメットの PR 及び着用の普及促進を図る。
c) 海外の規格及び情勢について調査・研究。
d) 各関連団体と連携し、ヘルメットの品質向上を図る。
すべての交通事故における自転車が関係する事故の割合は 21.9%(令和 2 年)と、近年増加傾向にあり、自転車乗車中の事故で亡くなられた方は約 6 割の方が頭部に致命傷を負っています。
また自転車用ヘルメットを着用していなかった方は着用していた方に比べて、亡くなる可能性が約 2.1 倍高くなるというデータが、警察庁より報告されています。(平成 30 年~令和4年合計)
さらに、過去の研究で自転車のチャイルドシートに子どものダミー人形を乗せ、停止状態から真横に倒れた際の自転車用ヘルメットの有無による頭部にかかる応力(損傷作用を及ぼす力の総和)を計測しました。
すると、ヘルメットを着用していなかった場合、側頭部にかかる応力は
27MPa(メガパスカル)を記録。この数値は頭蓋骨骨折の可能性が非常に高く、傷害が残る致命的な頭部損傷に至る可能性もあります。一方、ヘルメットを着用していた場合、応力は 8MPa
にとどまり、傷害を負ったとしても軽度で抑えられる可能性が高いことが実証できました。
つまり、自転車用ヘルメットを着用していただくことで、けがや損傷の程度を軽減することができ、死に至る確率も大幅に下げることができると言えます。
自転車用ヘルメットは以下の試験を行い、安全性を確保しています。
自転車用ヘルメット
a) 衝撃吸収性試験
人頭模型に被せたヘルメットを
1. 直径 130mm の平面アンブルに、1 回目は落下速度 5.42m/s( 落下 1.50m) で試験範囲の2箇所に落下させる。
2. 上記と同じ方法で、半径 50mm の半球アンビルの上に、上記で試験をした以外の試験範囲の2 箇所に、1 回目は落下速度 4.57m/s( 落下高さ 1.06m) で落下させる。
その他、各種ヘルメットに関して以下の試験があります。詳しくは各メーカーにお問合せください。
1. 産業用ヘルメット(保護帽)について
・電気用(絶縁)試験
2. 乗車用及び自転車用ヘルメットについて
・保持装置の強さ試験 ・保持性(ロールオフ)試験 ・周辺視野試験